リノベーションか建替えか

  • 2023年7月22日

現在、土地、建物を所有していて、家族の生活スタイルが変わったり、所有者が代替わりしたり、住まいの老朽化が懸念されたり、といった様々な理由で、建替え、又はリノベーションをご検討される方がいらっしゃるかと思います。弊社にもそんな相談がよくあるので、ちょっと整理してみました。

リノベーションか建て替えか

仁川台の住まい1

建替えとなると、基礎から初めて、屋根、外壁、内装、設備など一通りすべての工事があり、そのボリュームにによってコストは変わってくるのですが、それでも2000万、3000万は最低でもかかってきます。
一方、リノベーション。。ここでは部分的な水廻りを直す、模様替えをすると言ったものではなく、現在の生活スタイル、家族構成に合わせた全面的なリノベーションについて比較整理してみようかと思います。

コストについて

建替えにおけるコストで最近、特に注意を払わないといけないのが、解体費用です。ここ数年、解体費用は年々上昇しているように感じます。今年より、アスベスト処理に関しても厳しくなり、なおのこと。40坪程度の家でも解体費用が200万もかかってしまう場合もあり、10年前からは倍ほどになっているように思います。解体以降の費用は新築と同じです。コロナ以降、全般的に建材費が値上げされてしまって、今後それが値下がるということは基本なさそうです。一方、材木系はウッドショックからはだいぶ値段は下がってきています。それでもコロナ前の水準には戻っていません。最近驚くほど高くなったと感じるのは、鉄関係及びコンクリート関係です。基礎工事は坪60万の家でも80万の家でもさほど差がないので、この部分でのコスト調整はほぼ不可能な感じです。

リノベーションの場合は前述の全部を壊す解体ではないのですが、壁を抜いたり、床を外したりと、性能面での改善を目指す場合は、手間暇のかかる解体となります。基礎や躯体部分は当然のごとく生かすのでその部分の費用がかからないのがコスト部分での大きなメリットです。

性能について

新築建て替えにおける性能について、建築基準法の防火性や構造基準を満たし、さらにそれよも、2割、3割上のものをご提案する形が弊社でのスタンスです。最近では注文住宅では開口部での性能重視が求められ、コスト面の比重が昔に比べてだいぶ上がっているように思います。きわめて重要なことではあるのですが、コストマネジメントにおいては、難しい部分です。

リノベーションにおける性能は既存のレベルがベースとなるので、40年前の木造住宅の場合、構造、断熱共、現行の建築基準や省エネ基準をほとんどの場合、満たしていないことが考えられるため、その部分で、どこまで改善を目指すかを決定することが大切。それにより、前述のコストにも大きく関係してきます。内部側をすべて撤去することが可能であれば、性能面の改善はかなりの範囲で可能となります。

計画やデザインについて

仁川台の住まい3
住まいの建替え、リノベーション、どちらを選択するかを模索するとき、コストや性能について、まずは考えが向くのが普通のことではあるのですが、既存の建物のデザインや古いが故のいい点、周辺との関係性やそこに住んでいたエモーショナルな部分も、検討する上で十分に考慮する必要があるように感じています。
例えば、築50年の木造住宅で昨今の新建材で造られたものではなく、瓦や左官材で造られ、建物の形態も伝統的な軒の深いフォルムをしている、そんな住宅は極めて高価でなくとも、現代において同じように作るとなるとコストに余裕がなければ、実のところ難しいです。内部においても、古くはなっているけれども、美しい木製の建具であったり、梁や柱の構造体は現代の工業化、機械化が進んだ建材ではその良さを感じることができません。
また、自身の両親や先祖が残してきたものに対する思いや、その建物にある思い出なども、加味すれば、一概にお金があれば建て替えるのがベストと考えるのがいいとも思えません。
古い古民家という感じではなくとも、既存の部分活かしながら再考することで、かえって新築では得ることのできない建築デザインが生まれることもあります。

最後に

建替えかリノベーションかを悩まれている場合は、どういったものを望んでいるかを整理して、いろいろなケーススタディをすることがまずは大事なのではなかと思います。10年先を見据える場合、30年先を見据える場合、50年先を見据える場合、それによって計画も大きく変わることと思います。

住まい手が自ら、考えを整理したり、技術的なこと、コスト的なことを確認することは難しいことと思います。弊社では計画の初期段階から相談にのり、よりよい住まいの形になるように、サポートをしておりますので、お気軽にお問い合わせください。